旅行のキャンセルでいちばん多い不安は、実は「キャンセル料がいくらか」ではなく「払ったお金がいつ戻ってくるか」です。そして返金の到着日は、キャンセル操作をした日ではなく、そのあとの事務処理とカード会社の締め日で決まります。ここを知らないと「キャンセルしたのに請求が来た」と焦ることになります。
この記事では、ホテル・ツアーをキャンセルしたお金が戻るまでを「①キャンセル操作 → ②サイト・会社側の返金手続き → ③カード会社からの返金」の3ステップに分けて、各予約サイトと旅行会社の公式情報だけを根拠に整理します。キャンセル料の規定(いつから・いくら)は後半で扱います。多くの人が知りたい順に並べたためです。
なお、キャンセル料の設定や返金処理の細部は予約サイト・施設・プラン・決済方法によって異なります。この記事は各社の公式ヘルプに書かれている一般的な枠組みの整理で、自分の予約に何が適用されるかは、最終的に予約詳細画面のキャンセルポリシーと申込先の案内で確認してください。

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結論:返金までの3ステップと所要時間の目安
| ステップ | やること・起きること | 時間の目安(公式記載) |
|---|---|---|
| ① キャンセル操作 | 予約サイトの予約確認画面から取り消す | 即日(操作した時点で成立) |
| ② 返金手続き | サイト・旅行会社側が返金処理を始める | 楽天トラベルは1〜2日程度で返金データを送付。一休.comは手続き日の翌日または7日後に処理。パッケージツアーは約款上、解除の翌日から起算して7日以内に払戻し |
| ③ カードからの返金 | 請求の取消、または翌月以降の相殺・返金 | カード会社の締め日により、直後〜約2カ月(楽天トラベル・一休.comとも公式に記載) |
ポイントは、②までは数日で終わっているのに、③がカード会社の締め日次第で1〜2カ月かかりうるという構造です。つまり「返金が遅い」と感じるケースの多くは、サイト側が処理を止めているのではなく、カードの請求サイクルを待っている状態です。タイミングによってはいったん通常どおり請求され、翌月以降に相殺・返金されることもあると楽天トラベルの公式ヘルプに明記されています。

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① キャンセル操作:どこから取り消すか
主要サイトとも、入口は予約確認の画面です。
- じゃらん: 「予約照会/変更/取消」からログインして該当予約を選ぶ。サイト上から操作できる期限を過ぎている場合は施設への連絡になる
- 楽天トラベル: 「予約確認」ページで「国内宿泊」を選び、該当予約の「キャンセル」を押す(公式ヘルプの手順。予約した本人の楽天IDでの操作が前提)
- 一休.com: ログイン後の予約確認画面から該当予約のキャンセル手続きへ進む(詳細は公式ヘルプ参照)
このとき必ず、同じ画面に表示されているキャンセルポリシーを確認してください。キャンセル料がいつから何%かかるかは、法律で一律に決まっているのではなく、予約した施設・プランごとの規定で決まります(じゃらんの公式ヘルプにも「宿泊施設またはプランに定めるキャンセル規定に基づき発生します」と明記されています)。予約確認メールにも同じ内容が載っているのが通常です。
電話でのキャンセルが必要になる場合
当日のキャンセルや、サイト上の操作期限を過ぎたあとの取り消しは、画面から操作できず施設や窓口への電話連絡になることがあります。連絡せずに到着日を過ぎると「無連絡不参加」の扱いになり、キャンセル料が最も重くなる区分が適用されるのが一般的です。行けないと分かった時点で、方法はどうあれ先に連絡だけは入れるのが鉄則です。

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② 返金手続き:サイト・会社側で起きていること
事前カード決済の予約を取り消すと、キャンセル料が発生する場合はそれを差し引いた金額が、予約時に使ったカードへ返金処理されます(楽天トラベルの公式ヘルプに明記)。処理の開始タイミングは各社の公式ヘルプでこう説明されています。
- 楽天トラベル: キャンセル完了後1〜2日程度で決済代行会社に返金データを送付する
- 一休.com: キャンセル手続き日の翌日または7日後に、カード認証の取消または返金手続きを行う
- パッケージツアー: 標準旅行業約款で、旅行開始前の解除による払戻しは解除の翌日から起算して7日以内、旅行開始後の解除や減額による払戻しは旅行終了日の翌日から起算して30日以内と定められている
ツアーの「7日以内」は約款で決まっている点が宿泊予約サイトとの違いです。ただしこれは旅行会社が払戻しの手続きを行う期限であり、カードへの着金がその日までに完了するという意味ではありません。

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③ 着金:カード会社の締め日で決まる
最後のステップがいちばん時間の幅が大きいところです。
- 楽天トラベル: 返金データがカード会社に送られたあと、約1〜2カ月後にカード会社から返金されると公式ヘルプに記載。カード会社の締め日によっては、いったん通常どおり請求されてから翌月以降の請求で相殺・返金される
- 一休.com: 利用枠(与信枠)の解放や返金までの期間はカード会社によって異なり、手続きの直後〜2カ月程度と公式ヘルプに記載
つまり「2カ月近くかかることがある」のは両社とも公式に書いてある正常な範囲です。予定日を過ぎても戻らない場合の確認先は、予約サイトではなくカード会社になることが多い、ということも覚えておくと問い合わせが早く済みます。細かい返金予定は契約しているカード会社ごとに違うため、正確な日付はカード会社に確認してください。
現地決済なら、そもそも返金は発生しない
現地で支払うプランは、キャンセルしても引き落とし自体がないので返金を待つ必要はありません。ただしキャンセル料が発生した場合は、施設から別途請求されることがあります(じゃらんの公式ヘルプに、キャンセル料金が発生した場合は施設からの請求に従って支払う旨の記載があります)。「現地決済ならキャンセル料も踏み倒せる」わけではない点に注意してください。

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キャンセル料の規定:宿とツアーで決まり方が違う
宿泊単体:施設・プランごとに違う(統一の表はない)
ホテル・旅館の宿泊単体には、業界一律のキャンセル料表はありません。「何日前から何%」は施設とプランごとの設定で、同じ宿でも早期割引プランと通常プランで規定が違うことは珍しくありません。とくに注意したいのは次の2つです。
- 事前決済限定・返金不可のプラン: 早期割引などで料金が安い代わりに、予約直後からキャンセル料100%(返金不可)と設定されているプランがあります。安さの理由がキャンセル条件であることは多いので、料金より先にポリシー欄を読んでください
- イベント期・年末年始の特別規定: 通常期より早くキャンセル料が始まる設定になっている場合があります。繁忙期の予約はここも確認対象です
パッケージツアー:標準旅行業約款で上限が決まっている
航空券や交通と宿がセットになった募集型のパッケージツアーは、多くの旅行会社が採用する標準旅行業約款の別表で、時期ごとの取消料の上限が定められています(国内旅行の場合)。まず基本形がこの表です。
| 解除する時期 | 取消料の上限 |
|---|---|
| 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって20日目(日帰りは10日目)にあたる日以降 | 旅行代金の20%以内 |
| 同じく7日目にあたる日以降 | 旅行代金の30%以内 |
| 旅行開始日の前日 | 旅行代金の40%以内 |
| 旅行開始当日 | 旅行代金の50%以内 |
| 旅行開始後の解除・無連絡不参加 | 旅行代金の100%以内 |
2つ補足があります。第一に、この表はあくまで上限で、実際に何%かは申し込んだ会社の旅行条件書で確認します。第二に、「20日目にあたる日」の数え方は旅行開始日の前日から遡って数えるので、感覚より1日ずれることがあります。境目の日に当たりそうなときは、自分で計算せず申込先に確認するのが確実です。
裏を返せば、この基本形のツアーなら起算日より前は取消料なしで解除できる分かりやすさがあります。ただし次に説明するとおり、この基本形が当てはまらないツアーがあります。
航空券込みのツアー(ダイナミックパッケージ等)は予約直後から取消料がかかる場合がある
見落とされがちな重要な例外がこれです。航空会社の「個人包括旅行運賃」(ダイナミックパッケージなどのツアー専用に設定される航空運賃で、運賃単体では表示されず宿泊などと合算した旅行代金でのみ表示されるもの)や、航空会社がWebサイト等で広く販売する航空券と同一条件の航空券を組み込んだ募集型企画旅行では、標準の表とは別の取消料区分が使われます。標準旅行業約款そのものではなく個別に認可を受けた約款で定める方式で、航空券込みのツアーを扱う多くの旅行会社が採用しています(以下は日本旅行が公開している旅行業約款・別表第一の実例)。
| 解除する時期 | 取消料の上限 |
|---|---|
| 旅行契約の締結後(20日目にあたる日より前を含む) | 解除した時点の航空券取消料等の額以内 |
| 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって20日目にあたる日以降 | 旅行代金の20%または航空券取消料等のいずれか大きい額以内 |
| 同じく7日目にあたる日以降 | 旅行代金の30%または同・いずれか大きい額以内 |
| 前日/当日 | 旅行代金の40%/50%または同・いずれか大きい額以内 |
| 旅行開始後・無連絡不参加 | 旅行代金の100%以内 |
つまりこの型のツアーは、「20日前までは無料」ではなく、予約した直後から航空券部分の取消料に相当する額がかかりえます。いつから・いくらかかるかは、航空会社が運賃ごとに定めている取消条件で明確に決まっており、契約書面(旅行条件書)にも明示されます。予約を確定する前に確認できる情報なので、この欄を読んでから申し込んでください。
実際、JAL・ANAとも個人包括旅行運賃の取消手数料を公式サイトで公表しています。2026年8月27日の確認時点では、両社とも同じ区分・同じ金額で、往路・復路それぞれに適用されます。
| 払い戻し日時 | 取消手数料(往路・復路ごと) |
|---|---|
| 搭乗(予定)日の55日前まで | 500円 |
| 54日前〜21日前 | 2,000円 |
| 20日前〜8日前 | 3,000円 |
| 7日前〜前日 | 6,000円 |
| 搭乗当日の出発時刻まで | 9,000円 |
| 出発時刻以降 | 運賃額の100%(ANAは税抜運賃額の100%) |
たとえば往復のツアーを予約直後に取り消した場合でも、55日前より前なら航空券部分の取消手数料は往復で1,000円(500円×2)という水準です。時期が近づくほど段階的に上がり、ツアー全体としては先ほどの約款の区分(20日目以降は旅行代金の率との比較)がかぶさる、という二段構えで理解しておくと条件書が読みやすくなります。
自分の予約がどちらの型かは、申込時の旅行条件書・契約書面の取消料欄で確認できます。航空券込みのツアー(とくにダイナミックパッケージ)を予約するときは、「ツアーは20日前まで無料のはず」と思い込まず、予約前に取消料欄と航空券の取消条件を読んでください。ツアーと個別手配の使い分けは北海道旅行はツアーと個別手配どっちが得?で整理しています。

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よくある誤解:「◯◯まで無料」の基準日はどこか
旅行会社の窓口で多いのが、キャンセル無料の期限の基準日を取り違えるケースです。たとえば「予約日当日の23時まで無料」という設定は、予約した日のその日じゅうなら無料という意味で、宿泊日・出発日の当日まで無料という意味ではありません。逆に「3日前まで無料」は宿泊開始日が基準です。
キャンセルポリシーを読むときは、%の数字より先に「何を基準に数えた何日前か」を確認してください。ここの読み違いが、想定外のキャンセル料のいちばん多い原因です。

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一部の人だけキャンセルしたいとき
「4人で予約したが1人行けなくなった」というケースは、予約サイトの予約詳細画面から人数変更として手続きできる場合と、いったん全体をキャンセルして取り直す形になる場合があります。どちらになるかはサイト・プラン・施設によって異なります。なお部屋単位なら操作が用意されていることがあり、たとえば楽天トラベルの公式ヘルプには、複数室の予約に対して「一室キャンセル」と「一括キャンセル」を選ぶ手順が示されています。
注意すべきは後者です。全体を取り消して予約し直すと、残りのメンバーの分まで現在のキャンセル料規定にかかった上で、取り直し時点の料金・空室で再予約することになります。料金が上がっていたり満室になっていたりするリスクがあるので、自分で全体キャンセルを実行する前に、まず予約サイトのヘルプか施設・旅行会社に「人数だけ減らせるか」を確認してください。
欠航・悪天候が理由のキャンセルは別のルール
ここまで書いてきたのは自己都合のキャンセルの話です。台風などで飛行機が欠航した(しそうな)場合は、航空会社が影響対象と認めた便かどうかで扱いが変わる、まったく別のルールが動きます。
重要なのは、欠航が決まる前に自己判断で取り消すと、こちらの「自己都合」の規定が適用されてしまうことです。先に取り消して、あとから欠航が決まっても取消料は戻らない旨が航空会社の公式案内に明記されています。詳しい動き方は新千歳空港の欠航にどう備える?決まる前・決まった後の動き方にまとめました。

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キャンセル前提で賢く予約する
ここまでの内容を予約時に活かすなら、次の順番になります。
- 日程が動く可能性があるなら、キャンセル無料期間の長いプランを選ぶ。無料期間内の取り直しはコストゼロの保険になります
- 返金不可プランは「日程が確定してから」使う。安さと引き換えにしているものを理解した上で選ぶぶんには合理的です
- 繁忙期はキャンセル料の開始日をカレンダーに入れておく。無料期限の前日に一度、旅程を見直すきっかけになります
予約サイトごとのキャンセルまわりの使い勝手も含めた比較は北海道の宿・ホテル予約はどのサイトが得?で扱っています。キャンセル料の設定が通常と違いやすい年末年始に予約する場合は年末年始の北海道旅行はいつ予約?もあわせてどうぞ。
よくある質問
Q1. キャンセルしたのに請求が来ました。返金されないのでしょうか?
カード会社の締め日のタイミングによっては、いったん通常どおり請求されてから、翌月以降の請求で相殺または返金される流れになることが、楽天トラベルの公式ヘルプに明記されています。一休.comも、返金や利用枠の解放までの期間は手続きの直後〜2カ月程度でカード会社によって異なるとしています。手続きから2カ月を過ぎても戻らない場合は、予約サイトとカード会社の両方に確認してください。
Q2. 「予約日当日まで無料」とあったのに、キャンセル料を請求されました。
「予約日当日」は予約操作をした日を指すのが通常で、宿泊日・出発日のことではありません。キャンセルポリシーの期限は「予約日基準」のものと「宿泊開始日(旅行開始日)基準」のものが混在しているので、どちらを基準に数えた期限なのかを予約詳細画面で確認してください。
Q3. 何カ月も先の予約をキャンセルしたら、キャンセル料はかかりますか?
キャンセルポリシーで定められた開始時期(基本形のツアーなら旅行開始日の前日から遡って20日目、宿泊プランなら各プランの規定日)より前であれば、取消料なしで解除できるのが一般的です。ただし例外が2つあります。航空券込みのツアー(ダイナミックパッケージ等)は、約款の区分によっては予約直後から航空券取消料相当額がかかりえます。宿泊でも返金不可プランのように予約直後からキャンセル料が設定されているものがあります。「先の予約だから無料」と決めつけず、自分の予約の条件書・ポリシー欄で確認してください。
Q4. キャンセル料に旅行会社ごとの違いはありますか?
パッケージツアーは標準旅行業約款が上限(国内は20日前から20%以内など)を定めていますが、実際の金額は各社の旅行条件書で決まります。上限の範囲内で会社・商品ごとに設定が違うことがあるため、申し込み前に条件書のキャンセル料欄を確認するのが確実です。
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本記事のキャンセル料・返金に関する記述は、標準旅行業約款、日本旅行の旅行業約款、JAL・ANA・JTB・楽天トラベル・じゃらん・一休.comの公式ページを2026年8月27日に確認した内容に基づいています。紹介したのは一般的な枠組みであり、個々の予約への適用は予約サイト・施設・旅行会社・カード会社の規定と判断によります。実際の手続きの前に、必ず自分の予約のキャンセルポリシーと公式の最新情報をご確認ください。


